『経済倫理=あなたは、なに主義?』 アンケート結果2013 Hashimoto Tsutomu ■ 北海道大学大学院経済学研究科、講義「経済思想」でのアンケート結果です。(2013年5月実施) 新保守主義 40名 新自由主義 34名 国家型コミュニタリアニズム 29名 リベラリズム 39名 リバタリアニズム 7名 マルクス主義 6名 平等主義 12名 近代卓越主義 22名 共和主義 17名 耽美的破壊主義 6名 開発主義 0名 市民的コミュニタリアニズム 4名 地域型コミュニタリアニズム 6名 地域コミュニタリアン・アナキズム 3名 今回のアンケートで一番支持された立場は、「新保守主義」でした。ほぼ同数で、二番目に支持された立場は「リベラリズム」でした。これに対して「近代卓越主義」は、今回はあまり支持されず、代わって「新自由主義」や「国家型コミュニタリアニズム」に対する支持が増えています。 ところで2013年夏以降、自民党の安倍政権の政治的圧勝によって、日本では二大政党制の構図を作ることが難しいかもしれない、と言われるようになりました。ただ、イデオロギー意識の点では、「新保守主義」と「リベラリズム」が、大きく対立する構図になっています。この点では、二大政党制の可能性があります。むろん、「新保守主義」が「新自由主義」と結びつくとは限らず、「国家型コミュニタリアニズム」と結びつく可能性もあります。また「リベラリズム」の場合も、それが「国家型コミュニタリアニズム」と結びつくとは限らず、「新自由主義」と結びつく可能性があります。つまり、「新保守主義」と「リベラリズム」に加えて、「新自由主義」と「国家型コミュニタリアニズム」という四つの思想連関を、どのように対立させるか、あるいは融合するのか、によって、政党政治のあり方が規定されるのでしょう。 2013年10月16日 橋本努 |